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映画「ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史」感想

昨年の「のび太と緑の巨人伝」は完全オリジナルなのでスルーしたが、今年は「のび太の宇宙開拓史」リメイクという事で足を運んだ。

「のび太の宇宙開拓史」(以下'81年版とする)には大まかに分けて原作漫画とアニメ映画、さらに細かく分けると合計4種類のバージョンがある。

1.原作漫画(コロコロコミック連載版)(1980~1981)
2.原作漫画(てんとう虫コミックス版)(初版1984)
3.映画(劇場公開版)(1981)
4.映画(セルビデオ・レンタルビデオ・DVD版)(時期不明)

私が鑑賞したことがあるのは2.と4.である。てんコミ版が出たのはコロコロ連載時から約3年後の事で、連載版より21ページ加筆されている。ビデオ版は映画公開版とEDの入り方が異なっている
(参考:はなバルーンblogドラちゃんのおへや

鑑賞順序はてんコミ→映画だったが、てんコミ加筆の事実を知ったのはかなり後のことであったため、映画の終盤の展開には物足りなさを感じたのを思い出す。以上の事を踏まえて、「新・のび太の宇宙開拓史」(以下'09年版とする)の感想を述べる。
(以下、ネタバレ注意)

今回は事前の予告および公開後のブログ等の感想をなるべく目にしない事を心がけた。最低限、'81年版の再確認はしておきたかったのだが、てんコミは段ボールのどこか、VHSテープはデッキをテレビに接続していない事もあって、結局、再確認をせずに観に行った。それでも、もう何年も自分の目に触れていないにも関わらず、ストーリーを細かく思い出せたのは、いかに'81年版が印象に残った作品だったかと言うこともできる。

本作を鑑賞する際には、どうしても'81年版との比較になってしまい、単独での評価が難しくなってしまうのはやむを得なかった。そして、鑑賞後は、その思いが余計に強くなった。鑑賞直後の感想としては、'81年版のキャラ配置は絶妙だった事に改めて気づかされたという事である。'81年版におけるキーマンはブブだと思った。

カモランの息子・ブブはロップルの妹クレムに好意を抱いていたが、ある日突然スーパーマン(ドラえもん&のび太)が現れてからというものの、クレムの関心はのび太に移る一方で嫉妬する。ある日、陰でクレムがスーパーマンとイチャイチャしている所を見ていたブブはゴスとメスに捕らえられ、ギラーミンにスーパーマンがどこから来ているのかを話してしまう。その事が元になりロップルの宇宙船に爆弾が仕掛けられる。のび太とドラえもんがガルタイト鉱業に向かった後、しずかとジャイアン・スネ夫もガルタイト鉱業に向かうのだが、コーヤコーヤ星に来てもどこにあるのか分からず困る。そこを案内したのはブブであった。

こんな重要なキャラクターが'09年版は登場するだけの空気キャラになってしまった。代わりに登場したオリジナルキャラ・モリーナのなんと印象の悪いキャラクターであることか。前半であんなに嫌っていたコーヤコーヤの人達を誤解していた理由が判明し心を入れ替えるまでの描写が弱すぎた。そして、最後に登場する生きていた父親。強引に入るのび太の「ここにももう一つの宇宙開拓史があったんだ」の余計な台詞。この余計なオリジナルキャラクターのせいで映画全体のバランスが崩れている。おかげでロップルが父の形見のショックガンを渡すシーンが弱くなってしまったし、カモラン・ブブどころかクレム、そしてロップルまで空気化していたような気がする。

また、改変された箇所の大半が不満点になった。

ドラのびがコーヤコーヤ星を初めて訪れた際に洪水に巻き込まれるが、その後に地中から家が地面に浮上してくる。'81年版では二度目に訪れた際に家が増えている事が描写されていたと記憶しているが、'09年版はいきなり何故かコーヤコーヤ星の大都会が描写されて違和感ありまくり。公開前に「オトナファミ」を読んで'09年版にトカイトカイ星が登場しない事を知ったときから嫌な予感はしていた。そもそも"トカイトカイ星"があって"コーヤコーヤ星"があるわけで、また、この何とも言えない語感が良かったのだ。

'81年版ではロップルの宇宙船とのび太の部屋の畳が離れかけた原因の一つとして、爆弾が連想されていた。しかし、'09年版は爆弾が仕掛けられるより前に空間が離れかけてしまう。一人でガルタイト鉱業に向かったロップルをドラのびが助けに行く際に'81年版にあった「すぐ行って帰ってくれば大丈夫」という台詞が無くなってしまった。

'09年版はドラミも登場するが、こちらも意味が無く空気キャラになっている。コーヤコーヤ星の事が何故ドラミにばれたら駄目なのか動機が弱すぎた。

'81年版の映画には無かったのび太とギラーミンとの対決シーンが今回は描かれたが、ギラーミンを倒したはずなのにあっさり復活してしまうのは拍子抜けであった。死んだ事を思わせる描写を避けたのであろうか。コア破壊装置から救われた原因がタイムふろしきでなくなっていたしね。'81年版原作漫画における、ドラえもんのポケットから間違って取り出されていたタイムふろしきがいつの間にか風で飛ばされコア破壊装置に被さっていた展開が一番好きだ。

あと、映画全体的に流れるテンポの悪さが気になった。緊迫感がちっとも伝わってこないのは何故だろう。'81年版からあまり改変されていないシーンも多いのだが、どうにも間の取り方が悪い。'81年版より強調された雪の花の使い方もあまり上手いとは言えない。私は「ワープ」という単語を'81年版を見て知ったのだが、今回の映画を見てきちんと意味を理解できた子供はどれくらいいるだろう。

最後に、毎回触れられずにはいられないことだが、藤子F氏没後待っていたように始まってしまった本職以外のキャストを起用する流れを断ち切ることは今回もできなかった。ロップル(CV:櫻井智)とチャミー(CV:佐久間レイ)に芸能人が起用されなかったのがせめてもの救いか。

ところで、エンディングを見てある事に驚愕。

モリーナ(10歳):堀江由衣

ほっちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!

登場シーンがわずかだった為か、ダメ音感では気づかなかった。どうせなら全部由子にやらせれば良かったのに。こういう役は珍しいだけになおさら思ってしまう。調べてみたらドラ映画に出るのは2度目で「太陽王伝説」にもちょい役で出ていたようだがどんな映画だったか全く思い出せねーや。

そろそろ締めに入ろう。映画鑑賞中、のび太とギラーミンの対決するシーンで近くにいた幼女が「のび太頑張れー」と小声で言っていた。一方で、前半で明らかに制作側が笑いを求めている箇所において観客の子供達から全く笑い声が聞かれなかったのは気になる。'81年版を知らずにこの映画だけで見て楽しめたのであれば一時的には良いのかもしれないがそれでは寂しい。

この映画で思うのは、'81年版がストーリーのみならず世界観、人物設定でいかにバランスが取れていたのかという事に気づかされ、そこをむやみに弄ってしまうとバランスが崩れてしまう事の難しさであった。もし、81年版を未見の人が本作を見て不自然な箇所を感じたのであれば、それは'09年版における改編・追加シーンであろう。


個人的な主観での比較(コロコロ初出時の原作は未見のため除外)
原作漫画(てんコミ版)>>映画('81年版)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>映画('09年版)

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